ここは、もうすぐ定年退職のワタシ(63歳)に、悩み多きお仕事ガールのムカシちゃん(23歳)が、仕事にまつわる悩みを話しに来る場所です。仕事のモヤモヤ、誰にだってあります。そんな、あるあるな話を皆さんと共有し、悩んでいるのは自分だけじゃないと気付いていただければ嬉しいです。過剰に落ち込まず、楽な気持ちで仕事が出来ますように。ザワつくこころが少しでも凪いでいくようなサイトを目指しています。
今年も勤労感謝の日が来ました
三連休中日、どうお過ごしですか。
気持ちがゆったりして、ブログを更新しようとPCに向かっています。
今日は勤労感謝の日。勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝し合っていますか?ムカシちゃんは人間関係に悩んで会社に行くのがちょっとしんどいみたいだけど、仕事があって、一生懸命働けて食べていけることに感謝をしているみたい。この1年、ムカシちゃんはストレスで体調悪くして休暇を取る必要もあったしね。元気で働ける事は決して普通のことではなく、感謝すべき事なんだと思う。今日は、ワタシのところに相談に来たある青年が、悩みをとりあえず解消するまでの話を振り返りたいと思います。根本的な解決はそう簡単にはできなかったんですけどね。
ある青年のお仕事観について
ある青年の現在地
彼は最近転職をしたみたい。新しい職場で、仲間に恵まれ、仕事もしんどくなく、毎日ちゃんと会社に行けている、普通の会社員です。でも、会社が遠くて通勤時間が長く、給料が安いのが不満のようです。その不満に対して、会社の近くで一人暮らしをする事も検討しましたが、給料が安いため一人暮らしは難しいという結論に至りました。通勤中、会社が近づいてくると、この生活をいったい何年続けるのだろうと絶望的な気持ちでいっぱいになり、苦しくなってしまったよう。
仕事に対する葛藤
では、仕事内容や仲間に不満がないのにどうしてここまで苦しくなってしまったのか。彼にとって仕事は、食べていくための手段で、出来れば仕事なんかしたくないのに仕方なくしている事。まあ、こういった思いを抱えて毎日を暮らしている人は多いとは思うけれど、苦しくなってしまうほどこういった気持ちにで追い詰められている人はそんなに多く無いと思います。お話を聴いていくと、前職での嫌な出来事のトラウマでお仕事観が歪んでしまった事が原因のようです。
新入社員の時は、それなりに仕事に希望を持っていました。大学時代も真面目に勉強して、入りたかった企業に入社できて、会社のために、クライアントのために、良い仕事をしたいといった前向きな気持ちで入社の日を迎えたようです。研修が終わると、厳しい企業でしたので生活は仕事中心で、夜中の帰宅になることもしばしばありました。でも、就きたかった仕事で給料も同年代の若者と比べて高かったから、彼は毎日頑張りました。クライアントに喜んでいただいたときは、ささやかな自分へのご褒美として美味しいものを食べにいったりして、リフレッシュも出来ていました。
でも、上司が変わったときから何か歯車がかみ合わなくなりました。細かい認識の違いが積み重なり、何をやってもダメ出しを食らうようになりました。なぜか、上手くいっていたと思っていた人間関係も悪くなっていき、仲良かった仲間や先輩はこんな上司とはやっていけないと退職していきました。同僚達は自分の事で精一杯、とうとう職場で孤立しているような気持ちになりました。ある日、クライエントと揉め事があり、誰も助けてくれない現実を突きつけられ、上司に土下座を強要されました。それでも、部署内の仲間は誰も彼の立場に立つことはなく、彼の心身は限界に達しました。ついに胃潰瘍と鬱状態と診断され、休職後退職することになりました。
彼は忙しく厳しい仕事ながらも、達成感を持って生き生きして働けた職場をパワハラで奪われたと、恨みを持っているようでした。
どうせ、仕事なんか楽しいものではない、時間中なるべく省エネで働いて給料をもらうのが一番良いことだと思うようになりました。
でも、どこかであの頃のような仕事での達成感、そして頑張りに見合った給料をもらう充実した職業人生活に思いを馳せて、失ったものの大きさに悲しい気持ちがあふれてくるのでした。
職業人である自分はなりたかった自分か
そうねえ。健康を取り戻し再就職した彼にとって、今の生活は、ようやく得た安住の地ではあるのでしょう。でも、今の彼は本当になりたかった自分なのでしょうか。きっと、パワハラのせいで職業人としての自分を形成してきた職場を追われて、鬱状態と戦ったその時間は辛いものだったことでしょう。今の自分はなりたかった自分とはかけ離れた姿で、自己肯定感は下がってしまっていることでしょう。
働く人たちにとって、こういった挫折は、職業観を揺るがす大事件なのです。彼にとっても例外ではありませんでした。彼は、かつての職業観を歪ませ、順応させ、自分の心を守ることに今も多くのエネルギーを使っています。
職場を変わってもこころの中に悲しさや怒りの炎がくすぶっているのでしょう。今もこんなはずじゃなかった、こんな自分ではなかったはずだという思いがよみがえってくるのでしょう。
このお話の結末
結局ね、会社に行くのが辛くてたまらない彼は、新しい趣味を見つけて、上手く気分転換をする事で気分が楽になり、なんとか今も毎日会社に行って仕事が出来ています。でも、歪んだ職業観はそのままで。一度の挫折で、もう、もとの自分に戻れない喪失感を抱えて仕事をしています。根本解決は、なかなか難しいですよね。彼の前向きな職業観は傷ついたまま。仕事で自己肯定感を積み重ねて行くのは時間がかかりそうです。
まとめ
勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝し合っていますか。この言葉、良い言葉です。
彼自身と彼の元職場の皆さんが、この言葉の本当の意味を考えながら仕事を出来ていれば、彼の傷付きは回避出来たかも知れません。
ワタシにとってもこの言葉は大切なものです。
勤労感謝の日の今日、働くことについてある事例を挙げて考えてみました。働くことの厳しさ、楽しさをみんなで分かち合い、仕事を通じての自己実現を目指していきたいですね。


